第2世代Apple TVのVoiceOver

昨年2010/12/23に、近くのヤマダ電機Apple TVを買いました。
第2世代Apple TVのiOS 4.1以降にはVoiceOver機能があり、音声フィードバックで全盲社でも使うことができます。
Apple TVで何ができるか、買うべきか買わざるべきかという記事はたくさんあるようなので、ここではVoiceOver機能のみに絞ってレポートしてみます。
読者としてVoiceOverを使いたいユーザを想定します。

基本的な操作

操作のイメージを持ってもらうために、まず操作系について説明します。
Apple TVの操作はすべて付属のApple Remoteで行います。
Remoteには上半分に丸い方向キー、方向キーの真ん中に決定キーがあります。その下に左側にくぼんだMENUキー、右側に再生/一時停止ボタンです。たったこれだけです。Apple Remoteそのものには「MENU」以外文字での記載はありません。
操作系は、方向キーで選択して決定キーで決定、メニューキーを押すと一つ前の階層に戻る、という単純なものです。
左から右に向かって、ムービー、インターネット、コンピュータ、設定というタブがあり、Remoteの左右を押して移動します。タブの中では上下に項目が選択できます。
操作をすると、反応したときにぴっという小さい音がします。トップの階層でメニューを押したり、設定のエリアで右を押したりというように、無効な操作をすると違った音がするのでわかります。
VoiceOverが有効になっていると、選択した項目や、今どの階層にいるかをしゃべってくれます。ほとんどの操作がVoiceOverの音声を聞きながら行えます。
日本語も英語も、iPhoneと同じ声でしゃべります。

VoiceOverのOn/Off手順

iOS 4.1が入っている状態でVoiceOverをon/offする手順は以下のようになります。

  • メニューキーを何度か押してトップレベルの操作階層に移動します。
  • 方向キーの右を何度か押して、「設定」のエリアに移動します。端っこでは違った音がするのでわかります。
  • 方向キーの上を何度か押して、一番上の「一般」を選びます。
  • 決定キーを押して「一般」の中に入ります。
  • 方向キーの下を10回押して、上から数えて11番目にある「アクセシビリティ」を選択します。
  • 決定キーを押して「アクセシビリティ」の中に入ります。「VoiceOver」という項目が選ばれた状態になります。
  • 決定キーをもう一度押します。VoiceOverがoffならonに、onならoffに切り替わります。

使い始めに少し難あり

さて、それなりに使えるのですが、私が購入したものは内蔵のiOSのバージョンが古く、最初はVoiceOverが使えませんでした。
設定項目そのものがなく、一度ネットワークにつないで画面をみてもらいながらOSを4.1にアップデートするとアクセシビリティの項目が現れました。
OSのアップデートは、有線LANなら手数を覚えて自力でできる作業かもしれませんが、もはや古いOSがないので「アップデート」がどこにあるか説明できません。ちなみに4.1では一般の上から7項目目(上の端から下キーを6回押したところ)にあります。
私が買ったのはたまたま売れ残りで、今買えばiOS 4.1が入っていることを期待します。
それから、買ってきて最初に電源を入れるとOSが起動して言語選択(初期値はEnglish)、その後に無線LANの設定があります。メニューキーを押すとネットにつながらないままでトップの操作階層が表示されました。

現在のVoiceOverの問題点

iPhoneに存在する音声の問題点がそのままApple TVにも当てはまります。英字列の読み下しがおかしい点、日本語音声が音素レベルで崩れてぐしゃぐしゃになることがある点などです。また、日本語では検索などで使うソフトウェアキーボードの一部の記号が「ボタン」とだけ読まれて識別できません。ちなみにApple TVでは画面上でも日本語入力ができないので、検索はiPhoneのRemote Appを使う方がよいです。
それから、VoiceOverが有効だと、曲の変わり目で曲名をしゃべるのでちょっとうるさいです。iPhoneではHomeボタンを3回押すことでVoiceOverをOn/Offできますが、Apple TVにも何らかの工夫がほしいところです。

感想

iPod Nano, Mac OS X, iPhone/iPod Touchに引き続き、視覚に頼らなくてもちゃんと使えるようになっている点は非常にうれしいです。iTunesライブラリとAV機器とiPhoneなどをつなぐハブといった位置づけの機器ですが、\8800という価格でここまでできてしまうのは、iOSの共通プラットフォームと世界中で使われる市場の大きさによるところなのでしょう。Apple製品にはより隅っこの改良を要望したいところではありますが、それ以上に他メーカーが追従してくれることを望みたいです。