詳細読み

ここで詳細読みについて少し。
詳細読みとは、スクリーンリーダーなどが漢字や仮名の交じった文字列で同音異義語を識別するために使う特別な読み方のことである。たとえば「高」という文字は「こう」という読みになるが、「工」や「公」も「こう」である。そのため、スクリーンリーダーは「たかいのこう」、「こうさくのこう」、「おおやけのこう」のように区別して読み上げる。文章を流して読む場合ではなく、IMEなどを使って文字を入力したり間違いを確認したりする場合のフィードバックで使われる。
「詳細読み」という言い方はよく使われるが、その呼び方が正式なものというわけではない。また、詳細読みそれ自体もスクリーンリーダーによって異なるのが現状である。たとえば「浩」という字は、「こうぜんのこう」であり、「こうぜんのこう・さんずいに告げる」であり、また「さんずいに告げるのひろし」であったりする。ある程度漢字の知識を持っていれば「高」が「たかいのこう」でも「高血圧のこう」でも同じものだとわかるが、小学生などここから入るときっとつらいに違いない。どれか一つのセットにまとまるか、好きなものを選べるといいのだが、各社そのセットに自信を持っているし、長さと詳しさのトレードオフという問題もあるのでそううまくはいかないようである。
さて、今回FOMAらくらくホンIIIに搭載された漢字の詳細読みリストはJAWS for Windows日本語版に使われているものと同じセットのようである。(そのためにJAWSが入っているという誤解も一部であるようだが、JAWSWindows用スクリーンリーダーなので無理だろう。)。JAWSユーザとしてはこれでJAWS読みの理解者が増えることを期待したい。
(最初に書いたときは「高」の例にtypoがありました。)