aiBrowser

先日、IBM AlphaWorksから、aiBrowserという音声ブラウザがリリースされました。ホームページリーダーなどと同じ音声ブラウザですが、特にFlashやDHTMLへの対応に主眼が置かれています。MeadowのHimiさんが開発にかかわっていることで興味を持ちました。(ブログ記事)ダウンロードして少し利用してみました。
まず、上記サイトから「Download」にアクセスします。そして、ダウンロードのために利用するIBM IDを使ってログインし、aiBrowser.exeをダウンロードします。ファイルは60MBちょっとあります。Eclipse RCPベースなので、実はかなりの部分をIBMJava VMが占めているようです。
aiBrowser.exeを起動すると、インストールが始まります。インストールの途中で現れる画面に、XPath処理系としてsaxonをインストールするようにという指示があります。aiBrowserのインストールが終わったら、http://saxon.sourceforge.netにアクセスし、ダウンロードしてjarをaiBrowser\libにコピーします。このあたり、ライセンス上の問題っぽいですが、自動化されていてもいいのかも知れませんね。
スタートメニューからaiBrowserを起動すると、Flashのキャッシュを削除するか尋ねられるので、とりあえず初期値でOKしました。すると、aiBrowserのヘルプページが日本語で表示されます。ページ全体をツリーとして表現するようですが、なれると楽に操作できました。ヘルプにあるショートカットキーは一度聞いておく必要があると思います。
私はJAWS 7.10日本語版を利用していますが、音声はJAWSが読み上げてくれました。ほかに、SAPI5対応の音声エンジンがあれば、「ウインドー」→「設定」の「音声」項目から選んで利用できるようです。Windows XP以降には英語のMicrosoft Samが最初から入っています。
さて、aiBrowserはFennecという情報を使ってサイトの内容を整形し、読みやすく提示するようになっています。Youtubeをはじめとするいくつかのサイトがお気に入りに登録されています。私はYoutubeを試してみました。
Youtubeを開くと、読み込んで解析する間、少し木魚のような音で作業中を示します。そして、解析が終わったら音声でロード官僚が通知されます。F4キーで解析をやり直すこともできます。ロードしたページはJAWSと同様に上下矢印で行ごとに読み上げたり、hキーで見出しごとに移動できます。Fennecによって、もともと見出しのないページでも移動しやすく成形されているようです。
キーワードで検索して得られる結果リストもhキーにより項目を選ぶことができました。
ビデオの再生が始まったところでは、Flashコンテンツ上のボタンにちゃんとPlay, Stopなどのラベルがつき、さらに、CTRL+Sで停止、CTRL+Pで再生が可能です。YoutubeFlashは本来ボタンにラベルがないため、捜査できないばかりか、たまにミュートしてしまって悲しい思いをすることもあるので、これは確かに便利です。
まだ使い込んでいませんが、よく訪れる、用途がある程度決まったサイトでは威力を発揮しそうです。今はマルチメディアがメインのようですが、DHTMLへの対応がどのようになるのか、興味深いところです。個人的にはGoogleドキュメントなどがバリバリ使えるようになるとうれしいです。また、もしオープンソースになるとしたら、Eclipse RCPベースの部品が何か面白い利用法を生み出してくれるかも知れません。そのあたりも気になるところです。