支援技術とページ作成者の共同作業

東京女子大学渡辺隆行氏のチームによる日本の視覚障害者用ウェブ利用ソフトの機能調査という資料が昨日からあちこちで取り上げられている。UAAGのテストスイートという客観的な指標を使って国内で販売されている4種のスクリーンリーダー(および音声ブラウザ)の機能をチェックしたもので、非常に興味深い内容になっている。
視覚障害者がWeb閲覧を問題なく行うためには、

  • ページがアクセシブルになるように配慮して作られていて、
  • その配慮を利用してユーザが閲覧・操作しやすいように提示する音声閲覧環境が整っている

という両方の条件が満たされなければならない。国内でもWebアクセシビリティへの意識は徐々に高まりつつあるが、これまで支援技術側がどのくらいのレベルにあるのかはクローズアップされてこなかった。
この報告書が言いたいのはもちろん、Web開発者がいくら努力してもアクセシビリティは向上しないということではない。Web開発者の努力の上にやっと進み始めたアクセシブルなWeb環境の整備には、国内での支援技術向上とユーザのアフォーダビリティ向上というピースを埋める手だてが必要な段階にあるということではないだろうか。