WCAGお勉強のメモ

WCAG 2.0 ラストコール・ワーキングドラフト研究会にいくことにしているので、ちょっとお勉強をしてみた。
そこで気になった点をいくつかメモしておく。

ベースラインについて

WCAG 2.0でいうベースラインは、技術のセットであるらしい。たとえば

が挙げられている。WCAG 2.0適合を示す際に、そのサイトがベースラインとしてたとえばXHTML 1.0を選択したというように明言するようだ。
日本の一部の視覚障害者用UAではページ内リンクを利用できないというような明らかにUA側の問題といえる状況もあるのだが、ベースラインはたとえば「ページ内リンクが利用できる」ということをサイトのアクセシビリティが保証できるUAの想定として提示する訳ではない。
ベースラインという考え方が支援技術の発展を阻害する可能性について不安を持っていたが、その点では直接関係してこないように思える。しかし、UAの機能を規定しないとすると、ベースラインを定める意味が小さくなる気がする。たとえば同じJavaScriptといっても、onChangeを発行できないといったようにUA側の対応状況がまちまちであることをどう考えればよいのだろうか。

キーボード操作

2.1ではキーボードで操作できるようにすることが求められている。しかし、キーボード操作については、支援技術が提供するものとページが提供するものとがあり、どちらに言及するか明確化しなくてよいか。たとえば、GMailでは支援技術なしでキーボードショートカットによる操作を可能としているが、逆に支援技術が動作している場合にはGMail提供のショートカット実行に手間がかかるし、ショートカットを使わない方法では、操作可能な部分が支援技術で認識できないために操作できない。

ページ内で使われるオブジェクトへのキーボードアクセストラップ

Understanding文書の4.1のところには、キーボードアクセスを閉じこめてしまうことがないようにという趣旨のことが書かれている。
Java Appletでよくこういう状態が見られる。JAWSJava Appletのあるページにアクセスすると、キーボードフォーカスがJava Appletにとらわれる。TABを押してもページのほかの部分に移動できない。Flashではこういう状況は発生しない。
そもそも、Java AppletのAPIにキーボードフォーカスを外のコンテンツに逃がすという手段があるのだろうか。もしかしたら支援技術側で何とかするしかないのかもしれない。

フレームやレイアウトテーブルの扱い

WCAGおよび関連文書では、フレームやレイアウトテーブルは使うときに留意する点が書かれてはいるが、使わない方が望ましいという記述はみられない。しかし、JIS8341-3では5.2d, 5.2fで利用を避ける方が望ましいと明記されている。この辺の差はどのように解釈されることになるのだろうか。